ウルトラマンネクサス番組ストーリー


ウルトラマンネクサス番組レポート

【 Episode31 鳥 T2-O】

憐は瑞生のたずねた「ラファエル」という言葉に激しく動揺した…。

基地の外部で、瑞生と孤門は憐について話していた。「ラファエルとは何か?」憐がそれを知っているのは明らかだったが、瑞生は憐からその答えを聞くことはできなかった。瑞生は孤門に「憐を守りたい」と語る。そして、会話中の二人を監視する何者かがいた…。

そんな孤門の前に吉良沢が現れ、警告する。「憐には深入りしてはいけない」。その理由を尋ねる孤門に吉良沢は答えた。「君はTLTにいるには優しすぎる。そのことで、いつか命を落とすかもしれない」と。

孤門は、憐に会うため遊園地に出向いた。孤門は、憐にラファエルについてたずねるが、やはり答えは得られなかった。イルカのストラップを手に、うつ向く憐。瑞生のストラップだ。「イルカか、憐は海洋学者になるつもりだったんだな」と孤門。思わぬ指摘に驚く憐。しかし憐は、すぐに言い当てた。「わかった!優から聞いたんだ?」。吉良沢と憐が知り合いであったことに驚く孤門。

憐は続けた。吉良沢もまたプロメテの子であること。二人は同じアカデミーで育ったこと。1ヶ月ほどは同じ宿舎で過ごしたこと。

吉良沢も憐のことを思い出していた…。ある日、アカデミーの窓から鳥を見ていた吉良沢は憐に声をかけられた。吉良沢は言った。「鳥は自由なんかじゃない、飛ばなきゃ生きられないから飛んでるだけだ」。憐も応える「ただ飛んでるだけの鳥に、勝手に自由を見てる。自分が自由になりたいから」。

ある夜、憐は吉良沢を誘った。「宿舎を抜け出して海まで行こう」。しかし吉良沢はその提案に賛同しなかった。「海まではたどり着けない」という吉良沢に、憐は言う。「それって、いくつもある未来のひとつなんだろ?」。憐は「小さな自由」を試そうとしていた。

松永管理官は東郷と対談していた。「あの若者たちを放っておいて大丈夫なのか?」と案じる東郷に松永は言う。「心配はない。彼等は戦わねばならない。そして敵を前に、彼等は決してお互いを裏切ることはない。それが結果的に最もコントロールしやすいのだ」と。

ビースト・リザリアスが再び出現した!出動するナイトレイダー!青いウルトラマンも出現する! アンノウン・ハンドにより強化されたリザリアスは手強かった。しかもリザリアスはウルトラマンの攻撃パターンを学習していた。ウルトラマンの攻撃はかわされ、リザリアスの攻撃はウルトラマンに命中していく。

ウルトラマンはリザリアスに向かって突き進んだ。しかし、その動きは読まれている!

リザリアスは、アンノウン・ハンドからパワーを受け、渾身の一撃を放とうとしていた。と!凪のクロムチェスターから、ウルトラマンの進路上にミサイルが発射された。ミサイルを避けるウルトラマン!一瞬の後、ミサイルの着弾点にリザリアスの火炎が命中した!!ウルトラマンは火炎の直撃を免れたのだ。そして、ウルトラマンのアローレイ・シュトロームによりリザリアスは粉砕されるのだった。

憐は、そして吉良沢は、あの夜のことを思い出していた。憐の誘いに吉良沢は応じなかった…。そしてアカデミーに戻って来た憐は、吉良沢に何かを握らせる。貝殻だった。憐は「いくつもある未来」から、そのひとつを自分の手で掴んだのだ。

憐は屋外に飛び出し、吉良沢に語りかけるように呟いた。「俺にはもう『いくつもの未来』はなく、変わり様のないひとつの未来しかない。それでも、俺はその時が来るまで戦える」 憐の目前には星空が静かに広がっていた…。

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【Episode32 影 ―アンノウンハンド― - 棺桶のジョー】

TLTの手に落ちた溝呂木は、様々な、拷問に近い仕打ちを受けていた。

記憶を失っているのに、松永管理官は、痛めまくった溝呂木に、さらにブレーンスキャニングをかけるという。

そんな溝呂木に、どこかから、「お前は人形だ」という声が届く…が、溝呂木は突如脱走した。

それに対して発砲するTLTの兵士たち、「撃つな!生け捕りにしろ!」という松長管理官の声も、虚しく響く。が、溝呂木は瑞生を人質にして、逃走した。

そして、ナイトレイダーは、松永管理官より、溝呂木を捕らえ、そして逃げれた事実を知らされる。

だが、ナイトレイダー全員で追うわけにはいかない。と、凪副隊長が、自分が追うと言う。そして、孤門を連れて、凪は追った。

孤門は凪に、選ばれたことを感謝する。が、凪は「自分が撃たれたらあなたがやりなさい」と孤門に言う。

だが、溝呂木に捕まった瑞生は、不思議な友情で結ばれていた。溝呂木は記憶を取り戻していた。が、以前の悪魔時代の面影はどこへやら、自分がひどい目にあわせた人たちに謝りたいと言う。

そんな溝呂木についていく瑞生は、「私、人質だから」と屈託ない笑顔を見せる。しかし、そんな逃避行も、凪と孤門に見つかる。

孤門は、「お前を許さない」と銃を構えるが、瑞生はかばう。そして、溝呂木は、撃たれてもいい、雰囲気になった。

が、溝呂木が撃たれた!撃ったのは三沢という男である。三沢は、「自分が闇を支配する」と、ダークメフィスト・ツヴァイ(ドイツ語で2の意味)に変身、凪たちに襲い掛かった。

間一髪、憐がネクサスに変身、駆けつけた。
ネクサスとダークメフィスト・ツヴァイの死闘…空を駆けて、互いの能力限界まで戦うも、ネクサスは追い詰められ、メフィスト・ツヴァイにエネルギーを吸い取られていく!と、溝呂木は最後の力を振り絞り、ダークメフィストに変身、あろうことが、ネクサスを救った。

メフィスト・ツヴァイの剣が溝呂木を貫く!しかし、溝呂木はネクサスに「今撃て」と叫ぶ。

迷うネクサス=憐、しかし、意を決し、アローシュトロームを放ち、メフィスト・ツヴァイを撃退した。

そして、溝呂木は凪の腕の中で、静かに、自らの罪を償いつつ、息絶えて行った。

だが、どこかで、ほくそえむ人間がいた。歴代ジュナミストのリストに、孤門、凪の顔も連なる…一体誰だ!

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【Episode33  忘却 ―A.D.2004― しー坊主】

「TLTの中にアンノウンハンド…」 自分の腕の中で溝呂木の最期を看取った凪は、言い知れぬ不安にかられていた。

一方、石堀と詩織は難しい表情でパソコンの画面を見つめていた。

プロメテウス・プロジェクト(PP)の人物一覧に、イラストレーター吉良沢の姿を見止めたからだ。 人々の記憶を消し、なおかつナイトレーダーの仕事を公表しないTLTのやり方に、ふと疑問がよぎる。 PPには憐の顔も掲載されていた。 「TLTが俺たちまで騙していたとしたら…」

謎の発光体が侵入した。 レーテ……とつぶやき、吉良沢が震撼する。 ナイトレーダーにも緊張が走る。 発光体の向かう先は、エネルギー施設のあるセクション0。 ナイトレーダーでさえも近づけない危険区域だ。 凪は溝呂木の最期の言葉を思い出した。 「気をつけろ。やつはお前たちのすぐ近くにいる」 アンノウンハンド……凪は直感した。

そこへ現れた吉良沢から、TLT北米本部より査察官が入ると隊員たちに告げられた。 敵の動きが加速している。

遊園地で憐は楽しそうに働いている。そんな彼に、一人の少女が近づいた。

少女は強引にデートの約束を取り付けるとその場を去っていった。

去り際に聞いた名前は「松永はづき」。 その光景を見ていた瑞生は、はづきの顔を携帯のカメラに収めた。

その日、松永管理官は久しぶりに自宅に戻ってきていた。 書斎のPCで5年前の新聞記事を見つめる。 新宿に巨大隕石が衝突して大惨事を招いたというものだ。 行方不明者は670名を超えた。

その中に、松永の妻もいたのだった。 あの日、愛娘の洋服を取りに行くといって出かけた後姿が、妻を見た最後だった。

愛娘はづきが帰ってきた。父娘の態度はどうもぎこちない。あの惨事の影響だろうか。

松永はなんとか会話を交わそうと娘を呼び止めるが、タイミング悪く携帯が鳴った。首藤からだ。 何者かが憐に接触したという。 送られてきた画像は、瑞生が撮ったはづきだった。

水原沙羅――それが北米本部から来た査察官の名だ。 彼女は対バイオテロ組織BCSTの化学担当官だった。 BCSTは5年前の新宿大災害についても調査している。 そして、PPにも関わりがあるらしい。

PPが中止された理由は、作られたデザイナーチャイルドの中に一人、遺伝子操作段階の致命的なディフェクトがあったからだ。 その子は、17,8歳のある日、細胞のアポトーシスが突然全身で起こり、進行が止まらなくなってしまった。 それは即ち……死を意味する。

驚くべき事実はそれだけではない。 その特効薬の開発を中止させたのが沙羅なのだという。

石堀と詩織が話しているところへ凪と孤門も加わった。
石堀は言う。特効薬の名は「ラファエル」だと。 孤門の顔色が変わった。 「憐だ・・・」

憐とはづきは約束の場所で落ち合った。 それを瑞生が尾行している。 はづきは父松永管理官のことを語り始めた。 仕事のことはよくは知らないこと、喧嘩をしたこと…など。 彼女が憐に近づいた理由は、父が落とした書類の中に憐の写真を見たからだ。

それから憐のことを時々見に来ていたという。 はじめは憐の正体を探るつもりだった。 だが、次第に憐の人柄に惹かれ、そんなことはどうでもよくなった。 瑞生もまた、同じだった。

この場所は、はづきの父と母がよくデートしていた場所なのだという。 しかし、その母は5年前、新宿で死んだのだ。

和倉隊長は松永から、沙羅とその部下を紹介された。 溝呂木、TLT内のスパイ、すべてはレーテの秘密に関連があるという。

レーテ――来訪者によって作られた忘却の海。

20年前、アメリカの砂漠地帯に謎の発光体が墜落した。 数体の不定形生命体、それが来訪者。 来訪者は祖星の爆発によって宇宙を彷徨い、地球にやってきた。 地球は彼らを受け入れる代わりにハイテクの恩恵を受ける。 例えば、クロムチェスターの隠密機能や、メモレイサーで人の記憶を消去する…等。 しかし、それには条件があった。 ある一つの目的のみに使用する、というものだ。

その目的とは、来たるべきスペースビーストによる終焉を防ぐこと。 これは地球の滅亡を示唆するものなのか。

その頃、石堀は北米本部のサーバーをハッキングしていたが、惜しくも途中で気づかれる。 ダウンロードできたのは「A.D.2004」というファイルだけだ。 だが、そこには衝撃の映像が隠されていた。

「ウルトラマン……」

驚愕する隊員たち。 そこには新宿でザ・ワンと闘うウルトラマンネクストの姿があった。 ビルをなぎ倒し、街を火炎の海に巻き込んでゆくビースト・ザ・ワン。 隕石による大惨事というのは虚構だったのだ。

和倉が沙羅に問う。 「なぜ、人々の記憶を奪ったんだ!」 「その必要があったから」 沙羅は表情を変えずに言い放った。 ビーストの記憶がさらなるビーストの災いを招いてしまう。 だから、世界中の記憶を封印した。来訪者が身を挺して。

それが忘却の海――レーテ。

はづきに好きな子のことを聞かれて、憐は動揺した。 最初は否定したものの、意を決して打ち明ける。

「その子はね、いつでも真剣で、ちょっとドジだけど、その子の瞳はいつでも世界を真っ直ぐ見つめているんだ」

木の陰に隠れていた瑞生を、はづきが引きずり出す。 憐と瑞生は照れたように見つめあった。

そのときだ。 突如、空が割れ、黒い渦が出現した。 吉良沢はビースト振動波をキャッチした。 ナイトレーダーに出動要請が出される。

憐と瑞生ははづきを連れて逃げた。 そこへメモリーポリスの車が到着、はづきを保護する。 その間、憐は逃げ遅れた子どもを間一髪救う。 だが、他にもビーストに捕われた人々がいた。 彼らを助けるため、憐がウルトラマンに変身する。

ウルトラマンに命を救われた人々は、生まれて初めて目にする銀色の巨人に目を丸くした。 「助けてくれたのか……」 周りにいた一般市民らもウルトラマンの勇姿に目が釘付けだ。 「なんだ、あれは……」 「銀色の巨人……」

憐が助けた子どももつぶやく。 「ウルトラマン」

この罪のない人々を守るため、ネクサスは次なる戦いに挑もうとしていた。

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【Episode34 封鎖 -A.D.2009- ゆーこ】

青葉ニュータウン上空に突如現れた漆黒の雲間から、発光体と共にビースト反応。 エリア12ポイント48に、ナイトレイダー出動要請がかかる。 街なかは逃げ惑う人々で混乱し、宙に浮かぶメガフラシと地上のネクサスが対峙する。 和倉がコマンドルームに駆け込んできた。

しかしそこには凪、孤門、石堀、詩織隊員たちが既に顔を揃え・・・。 「何してる!?」大画面モニターには、石堀が内密に入手した5年前の記録/ウルトラマン・ザ・ネクストの姿が映し出されていた。「まさか、お前たち…」和倉は隊員一人ひとりを見回す。

「レン!憐!!」人込みの中、瑞生は憐を探し回る。 ネクサスはジュネッスブルーに姿を変え、メタフィールドを作ろうと、天へ向け、光の帯を送るが・・・すぐに消滅してしまう。 上空から次々と光線を発射し、ビルを破壊していくビースト。 ビーストを見上げた瑞生に、その攻撃が向けられた瞬間、ネクサスがひざまづき、背中で光線を受けとめ、瑞生を守った。苦しそうなネクサス。

「隊長はご存知だったんですよね?私たちも記憶処理を受けていたことを。」詩織が問う。 「言いたいことはわかる。だがこの瞬間にも人々が倒れていく。自分が今、何を成すべきか考えろ!」ハッと息を呑む詩織たち。 凪が和倉に近付き敬礼する。「後で説明をお願いします。」和倉は黙って頷いた。クロムチェスター4機が飛び立つ。

ネクサスは顔の前で腕をクロスさせ、そこにビーストの光線を受け止めながら果敢に突進して行く。 現場へ向かうクロムチェスター。前方のビル群にはビーストやウルトラマンの姿は見えない。

メガフラシには、ウルトラマンがメタフィールドを作りだすのと同等の能力があり、別の位相空間が広がっているのだと、吉良沢が説明する。 位相座標を計測し、その内部へ突入した孤門たちが見たのものは、メガフラシの光線に、ネクサスが弾き飛ばされた姿だった。起き上がるが、肩で息をするネクサス。 「憐・・・憐の命があと僅かだなんて・・・。」孤門がつぶやく。憐の命を救う特効薬/ラファエルの開発は中止されてしまっていた・・・。

「ウルトラマンを援護する!」と、和倉。 孤門は強力ビーム砲/クアドラブラスターを発射!しかし、メガフラシの張った虹のバリヤに一定以上のエネルギーは拡散され、消滅する。攻撃をアビロックミサイルに切り替え、メガフラシに命中させ、地上に落下させる。 そこへすかさずネクサスが駆けつけ、接近戦を繰り広げる。

メガフラシはネクサスを乗せたまま高速で地上を移動し、加速しネクサスを弾き飛ばす。 仰向けに倒れるネクサス。するとメガフラシは急浮上し、漆黒の雲の中に消えて行った。

「本当にビースト情報の漏洩は防げるのだな?」TLT本部から東郷が携帯で話す。 「ええ。これだけの大規模なリアルタイムでの情報操作は初めてのことですが、既に一帯の封鎖は完了しています。」 東郷の電話の相手は、青葉ニュータウンを一望できる場所に待機する松永管理官だった。 「君を信頼している。」「恐れ入ります…。」 東郷からの電話を切るや否や、松永の娘/葉月を保護しているとの首藤沙耶からの着信。

「あまりお父様に心配をかけないことね。」首藤がたしなめる。「父を知っているの?」 「ええ、立派な方よ。」 葉月は車を降り、首藤に近づいて言った。「チェーンメールで流れている噂話に、こんなのがあるの。」首藤は困惑の表情。 「新宿大災害は、本当は化け物と巨人が戦ったんだって。」

しかしそれは、自宅玄関先で父とぶつかった際に散らばった、父の資料を見た葉月が思いついた出まかせだった。今回初めて見た、ウルトラマンとビーストを重ねてみたのだった。 首藤は言った。「ひとつ言えるのは、お父様は世界を守るために戦っていらっしゃると言うことよ。」

フォートレスフリーダム・コマンドルーム。 ナイトレイダー隊員たちが、TLT北米本部の水原沙羅と海本隼人から5年前に隠蔽された事件の説明を受けていた。 和倉の後方のモニターには巨人たち2体。ウルトラマン・ザ・ネクストとザ・ワンの画像が並ぶ。 情報操作によって、ナイトレイダー隊員たちも当時の記憶を消されていた。

TLTに出来るのは、人間の脳の神経回路網から特定のキーワードを検出し、それに繋がる神経インパルスを抑制することだけ。 つまり、ウルトラマンとビーストに関する記憶だけが消せるというのだ。

5年前の事件。それは全世界一斉・あらゆるメディアやネットワーク上の記事一切を消去した壮大な情報操作だった。

イギリス/ロンドンブリッジの上空、オーストラリア/オペラハウス、そして日本/新宿副都心などに、巨大な神経細胞模型のような気味の悪い物体が出現し、発光し、人々の恐怖の記憶を瞬時に消去する。

スペースビーストは、特に高度な人間の知性の上に成り立つ恐怖を好んで捕食する生命体であった。

恐怖心がより高まることで、ビースト出現のポテンシャルが高まると言う。

ニュータウンの住民は、もはや街の外へ出ることもできない。 我さきにと他人を蹴落とし、TLT隊員に制止を求められると、より凶暴になっていく。

すると、TLT隊員は住人の混乱を鎮めようと、空へ向け威嚇射撃をし、その銃口を人々へ向ける。 人々は新たなる恐怖におののく。 だから人々に、ビーストの存在を認識させてはいけないのだ。

幼い頃、森の中で母親を探す凪が出会った男・・・背中から2本の突起が伸びたおぞましい姿・・・その記憶を思い出した凪は、憎しみが恐怖に打ち勝つと、沙羅に言う。

しかし、沙羅はそれを否定する。「5年前、ザ・ワンと名付けられたスペースビーストに姿を変えたのは、私の婚約者。そして最初のデュナミスト/真木舜一にザ・ワンの抹殺を依頼したのは、この私…。」「恐怖を乗り越えるのは、人を愛する心。人をいつくしむ眼差し。私はそれをウルトラマンから教わったの。」

「レーーン!」瑞生が駆け寄る。深手を負った憐は何とか笑顔を返す。 しかしその時、また青空に漆黒の雲が立ち込め、ニュータウン一帯が再びメガフラシの位相と化した。吉良沢がコマンドルームに現れ、ナイトレイダーは出動する。 吉良沢は孤門に近付き、憐のいる場所に再びビーストが現れたと語る。 「アンノウンハンドの目的は明確です。ウルトラマンの抹殺!」孤門は息を呑む。

「ラファエルは間に合うの?」沙羅は突然切り出した。部下の海本は驚いて沙羅を振り返る。 「私が知らないとでも思っているの?」沙羅が手に取ったのは、あの、憐を監視し続けた者が所持している球体カメラのようなものだった。

「千樹 憐の特効薬開発の為、あなたがプロメテの子たちと内通し、彼を監視し続けていたことを。」 「来訪者から、より正確な情報を引き出す為のコンタクティを生み出し、クラスAの超能力者である、あなたの遺伝子情報を元に生み出されたプロメテの子。彼らはあなたの子どものようなもの。なのに私は、特効薬の開発を中止させ、ビースト研究を優先させた。ひどい女だと思ったでしょう。」

「誤解です。」「えっ?」 「『神はサラの祈りを聞き、天使ラファエルを地上に派遣した』トビト記の一節です。ですから、憐の命が永らえることはもう……」

瑞生に肩を貸してもらい、避難途中の憐。喉が渇いたと憐が言う。 瑞生は憐にここに留まるよう念を押し、水を調達する為、その場を離れた。 憐は胸元からエボルトラスターを出し、ビースト反応を確認した。 しかし、憐の体力は限界にきていた。

ユラリと傾くその身体を、そっと支えたのは・・・孤門だった。 「行かなくちゃ…」 「憐、あのビーストは君を狙っている。それに君の身体・・・もう変身するな!」 「孤門の仕事って・・・」歩き掛けた憐が孤門を振り向く。「人を、世界を守る仕事だろ?」 「オレもその為に使いたいんだ。ウルトラマンの力を!」優しく微笑みかける憐。 憐にペットボトルの水を渡すつもりだった瑞生は、途中で足を止め、二人の様子を伺った。

「ワァッ!!」憐がアンファンスに変身した。 「憐が・・・ウルトラマン!?」瑞生は驚愕する。

メガフラシとの空中戦が繰り広げられる。 敵の光線を浴び、ネクサスは地上に仰向けに倒れこんだ。 追い討ちを掛けるように、メガフラシが独楽のように高速回転でネクサスへ突進しようとする。 和倉の指示で、クロムチェスター全機の一斉攻撃! 降り注ぐミサイルにビーストは動きを止めた。

「今だ!憐!!」孤門は叫んだ。 満身のキック!足を軸にそのまま高速回転をして、ビーストを地中へめり込ませていく。

エナジーコアが点滅を始め、続いて腕を振り上げビーストに近付こうとしたその時、激痛が走った!ウッと呻いてそのままネクサスは倒れ、憐の姿に戻る。 その隙にメガフラシは地中へ潜り、位相空間も消失した。

「レーーンッ!!」瑞生は叫びながら憐の元へと駆け出す。


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