ウルトラマンネクサス番組ストーリー



ウルトラマンネクサス番組レポート

【Episode26  憐  ザ・サード /ゆーこ】

白いもやの中、どこまでも伸びるレール〜観覧車〜木漏れ陽の向こうのジェットコースター〜メリーゴーラウンド〜

〈青年のつぶやき〉「誰ひとりオレのことを知らない場所へ行ってしまえば、オレは自分の未来を忘れていられる。そう思って、オレはあの日、ダラス/フォートワース空港発東京行きの飛行機に乗った。」

〜水面に映る夜の遊園地の灯り〜オレンジに染まる夕映え〜石柩の前に佇む青年〜その指輪に彫られた‘pyr’〜

「ここはとても居心地がいい。オレは会う人みんなを好きになる。それでもオレは時々考える。 ‘オレの命はどこから来たんだろう’‘そしてオレの命はどこへ行くんだろう’・・・・・・・。」

とある遊園地のカフェテリア。パラソルを広げ、開店準備を進める責任者/針巣とバイトの尾白。

「開店まで、あと5分だ」「1ヶ月目にして、もう遅刻かよぉ 俺はベテランでレンは新人!」  キキーッ!青いバイク(自転車)が停まった。

「はいはいはいはい、ハーイ!」 颯爽と笑顔で登場したのは、オレンジのパーカーを着た、まだどこか幼さの残る青年、千樹 憐、17歳。

迷子センターで泣いていた子どもたちにと、憐はバルーンアートの動物たちを作った。

「キリン、ウサギ、犬・・・クマ、サル、ひまわりじゃないよ、ライオンだよ(笑)」 「やっぱ、遊園地って場所はさぁ、迷子だって、みんなが幸せじゃないとさ。」

「その勢いで、今日もバイトに精を出してください!」とハリス。開店準備続行。

尾白と憐は、どんな仕事だってこなす。 動物カステラを焼き、子どもをメリーゴーラウンドに抱え乗せてあげる。

建物の陰で簡単に昼食を済ませ、着ぐるみにも入る。 子どものからかいにクマの尾白がキレそう・・・パンダの憐が止める。

その頃、街中では、ある都市伝説がまことしやかに囁かれていた。

「あいつもやられたんだ、怪物バンニップに」「1人は消えて、1人は記憶を失った」「1つ目のトリを見ちゃいけないんだって!」サワ サワサワ・・・・・

「あーっ、やっぱ労働の後は美味いわ〜!」ジュースを飲み干し、憐が芝生に寝そべる。 「問題の意味、わかんねーっ(汗)」尾白は、追試を免れない〈生物〉の問題に匙を投げていた。

憐が覗き込む。「・・・3種類の塩基で構成されているのは、蛋白質のアミノ酸の数が20種類あるからだよ。アデニン、グアニン、シトシン、チミン・・・・でも3つの塩基を組み合わせれば、4の3乗で64通り・・・」スラスラと説明する憐に、尾白は口をあんぐり。

「俺な、ずっと聞こうと思ってたんだけど、お前一体何者?」 「オレは1ヶ月くらい前、河原で寝袋で寝てたのを、ハリスに拾われて、今は楽屋に住まわせてもらって、働いているバイトのヒトよ」

「そりゃ、わかってんだけどさ、そろそろ親に居場所知らせたほうがいいんじゃない!?」 憐はクスッと笑う「大丈夫、心配しない・・・ってか、出来ないんだ」

「はい!?何で!?」 「オレの親って、DNAだから・・・」少しうつむき、憐は尾白のテキストの塩基配列の図を示す。 「・・・からかうなーー!人が真面目に話してんのに(汗)」

フリスビーを始める二人。 尾白は構わず続ける。「お前はさ、何かこう、夢とかないの?」「オレ、ないんだー」 「オレの望みは、ここに来る子供たちや親やお年寄りや恋人同士に皆、幸せな時間を過ごしてもらうこと!」 「なんか、変わったヤツだな〜」

その時、木陰から、憐をカメラのようなもので捉える、黒いマントの怪しい人影が! 憐は邪険な気配を感じ、顔を曇らせ、その方向へフリスビーを勢いよく投じる。

・・・人影は消えていた・・・ 「おい、どこへ投げてんだよ」「悪い、外しちゃった〜」

カフェ外のラジオから、ニュースが流れている。落雷事故で、死者やケガ人が出た。 「あれも怪物バンニップだよ」 憐たちと同じ歳ほどの、客の女の子たちが話している。

「何?バンニップって!?」憐が尋ねる。 「人間を、頭からつま先まで喰っちゃう怪物なの」「最近、原因不明の爆発とか、火事とか多いじゃん」 尾白が続ける。「しかもバンニップは、一つ目のトリを連れていて、バンニップが喰うところを見たら、記憶を消しちゃうの(笑)!」

・・・ジョーダンらしい。
カフェの室内のテレビでは、ちょうどその事故現場が写っていた。 「・・・これ、夢で見たのと同じ場所じゃん・・・・・」 そこは、憐が夢で見た、石造りの飛行機(ストーンフリューゲル)のようなものがあった場所だった。

その頃、憐が芝生広場で見かけた謎の人物は、憐をスキャンしたデータの照合をしていた。 ピーッ!100%一致!

仕事を終えた憐は、テレビで流れた現場へ行ってみた。 高架道路の下のわき道で、今は人影もない。 「確か、この辺りだ・・・」アスファルトへそっと手のひらを当ててみる。

あるイメージが浮かんだ。 工事現場の作業員たちが、夜の闇の中から触手を伸ばす、得体の知れないものに襲われ、悲鳴を上げ、逃げ惑っている。 憐は、その恐ろしい光景に、ふっと我に返る。

しかし、オレンジと黒のバリケードがユラリと揺れ、倒れたところには、いないはずの現場作業員の姿。

「やめろーーっ」怯える男の方へ、ゆっくりと女が近づいて行く。 「もう大丈夫よ」男へメモレイサー画面を向ける。一瞬白く眩しく発光すると、男はその場に倒れた。 気を失った作業員の頬から額を優しく撫で、何かぶつぶつ呟く若い女性。

現実に戻った憐。「君はだあれ!?」 イメージがくっきり浮かんだストレートロングの髪の女性に語りかけるように、つい口に出してしまった。

実は、そこには当人が潜んでいた。 野々宮瑞生は、メモレイサーのデータを確かめる。目の前の、この人物は、イレース(消去)対象者ではない。

「次の現場へ移動するわよ!」MP/首藤沙耶が指示する。「最近は、私たちMPの仕事まで、妙な噂になっている」 「一つ目のトリですか?一体どこから・・・」「あと4人、今日中に終わらないと。とにかく急ぎましょう」

遊園地の楽屋にある憐の住まいに、尾白が差し入れのお菓子を持って訪ねてきた。憐は不在だった。

雑然とした部屋の本を揃えようとして、ベッド下のティッシュボックス程度の箱がふと目についた。

四角のメモ帳くらいの大きさの見慣れないモノ・・・「何だ、これ!?」 間もなく憐が戻ってきたので、尾白は慌てて元の場所に返した。 「あ、来てたんだ!」「はい、これ。それじゃ、遅刻するなよ!」クマさんカステラを渡すと、尾白は部屋を出ていった。

1人になると、先ほどの箱から、幅広帯状のものを左腕に巻きつける。何か測定器のようだ。 「・・・マイナス・・・1.0・・・・・」昼間とは打って変わった深刻な表情の憐。

その頃、フォートレスフリーダムで、孤門は回想していた。 ダークメフィストと共に消えたネクサス。 「孤門、光は絆だ。誰かに受け継がれ、再び輝く」姫矢はそう告げ、光の中へ消えていった。 「光が去ってしまうはずがない」と、孤門は不安を打ち消すように囁く。

その時、緊急事態発生!ナイトレイダースクランブル!!
同時刻、憐の周辺にも変化が現れた。何かの気配を感じ、気付くと、夢で見た石の遺跡が見える場所に立っていた。 森を走り抜け、遺跡の近くへ。「シャッ!」腕をクロスし、気合いを入れ、更に突き進む。 その時、憐の身体は青い光に包まれ浮遊した。

「誰だ!?」基地の吉良沢。
憐の目の前には、青い巨人が立ってこっちを見つめている。 「あんたか?オレを呼んだのは?」「オレのこと、全部わかって呼んだわけね。上等じゃん!!」 憐は、何故か嬉々としていた。 巨人が視線を逸らした方向を見た。グランテラに向かい、クロムチェスターが攻撃をしかけていた。

「それじゃあ・・・行きましょうか!」憐の身体は光と一体になった。
クロムチェスター4機は苦戦していた。揃ってビームを放つ! 「効かない!!」詩織が叫ぶ。孤門「コイツの体表は恐ろしく硬いんだ!」 グランテラの鋏のような両手の間で、丸い火球が生成され、今 まさに放たれようとした、その時・・・ 火球を破壊する光線が走った!

「姫矢さん!?」孤門は思わず声を上げた。そこには、ネクサス・アンファンスが立っていた。 「いや、それは姫矢じゃない」と、吉良沢。

ネクサスはジュネッスへと姿を変える。それは、青いジュネッスだった。 「新しい・・・ウルトラマン!」孤門はそう呟いた。

「ようこそ、ザ・サード!キミが3番目だ。」吉良沢は確信する。
ジュネッス・ブルーは、メタフィールドを作り、間もなくビーストごと、隊員たちの前から姿を消した。 ネクサスの強烈なキックで、グランテラは弾き飛ばされた。
新しいヒーロー誕生!       

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【Episode27 「祈り」- T2-O】

青いウルトラマンはメタフィールドを展開。ナイトレイダーもメタフィールドに突入する。しかしウルトラマンが必殺の一撃を放とうとしたその時、謎の空間が発生。その中にビーストは姿を消してしまった。

孤門は現場を探索。目撃した憐を追い、遊園地にたどり着いた。憐の部屋に侵入する孤門。その孤門を捕え、問い詰める憐であったが、そこで力尽き気を失ってしまう。

目を覚ました憐の傷は、孤門により手当てされていた。礼を述べる憐。二人はお互いに名乗りあい、打ち解けあうのだった。

凪は、新しいデュナミストを警戒していた。彼女は、ウルトラマンの力を得た者が、闇に向かうことを案じていたのだ。そして凪は孤門に「新たなデュナミストと会ったのか?」と問うが、孤門は「会っていない」と答えるのだった。

孤門はTLTのデータベースにアクセスし、憐の情報収集を試みた。だが、憐の情報には全てシールドがかけられていた!そして、その画面には"group P.P."の表示があった…。

一方、憐を監視する任務に就いていた瑞生は、監視を憐に悟られ、しかも憐と接触してしまう。遊園地のベンチで、憐は瑞生に語りかける。「瑞生は、記憶を消した人のためにいつも祈るの?」。憐はそれを、ビースト事件の現場で幻視していたのだ。思わぬ指摘に、瑞生はその場を立ち去った。

吉良沢は、戦闘中に発生した謎の空間についてナイトレイダーに語っていた。「ダークフィールドの一種であり、未知の力『闇の見えざる手』が発生させたものだ」と。孤門は吉良沢に"group P.P,"について質問するが、その答えは得られなかった。

CICで、吉良沢はひとり、つぶやいていた。「三番目のデュナミストはプロメテの子…?」。その吉良沢に「久しぶりじゃん」と声をかける者があった。にこやかに「二年半ぶりかな」と応える吉良沢。彼の前に現れたビジョン、それは千樹憐であった!

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【epispde28  再会 リユニオン モグルドン 】

それは17歳の澄んだ目をした少年だった。 僕は新たに光を背負ったこの不思議な少年の事を、まだ何も知ってはいなかったー−−−

「久しぶりじゃん、優」 CIC作戦室の吉良沢の所に現れた憐。 「2年ぶりだな・・・」

「千樹憐は、私たちMPの存在を知っています」瑞王は、MPのリーダー首藤に報告していた。「私たちがビースト事件に遭遇した人たちの記憶を消している事」

「それは確かなの?」 「本人から聞いた事です」

瑞王はターゲットである憐と直接接触してしまった事を打ち明け、自分のミッションを誰か他の人に代わって欲しいと願い出る。

しかしそこに現れた松永管理官に、これからは友人として接触を続け、報告は直接自分に上げるように命令される。

「彼を騙せと言う事ですか?」納得できないが、任務とあれば仕方ない。 瑞王は、松永管理官に促され、任務に戻って行った。 首藤は松永管理官に聞く。 「計画通り・・・そういうことですか?」 松永管理官は黙ったまま答えない。

孤門はGROUP P・Pの秘密を探ろうと、ブロックされているファイルのパスワードを探していた。 そして、憐がしていた指輪に彫られていたアルファベットを思い出した。 「Pyr」・・・enter・・・そしてそのファイルは開かれた。

それは 『PROMETHEUS PROJECT』 画面には10人ほどの人間の顔写真があった。 もちろんそのなかに「REN SENJYU」がいた。 「そう、彼はプロメテウスの子です。」 吉良沢が現れた。

「Pyrはギリシャ語の炎。プロメテウスが人間に与えたという炎です。」 「イラストレーター・・・」 「君はいずれ見つけると思っていました。 千樹憐はプロメテウスプロジェクト」によって生まれた子です。 彼には両親も家族も存在しない。 そういう意味ではプロメテウスの子は皆、天涯孤独です」

プロメテウスプロジェクトとはある医療研究アカデミーによる実験プロジェクトで、 優秀な遺伝子を取り出し、組み合わせ、人為的にハイブリッドな新生児を誕生させるというもの。 アカデミーはTLTの下部組織でその存在は極秘であるという。

最近になって、実験の工程に問題が発見され、実験は凍結されているらしい。 プロメテの子たちは、ダラスのアカデミーの寄宿学校で養育され、 14歳で大学課程を終える。 憐は海洋学を志し、事実優秀な海洋学者になるはずだったのだが、 1ヶ月前、忽然と姿を消したのであった。

憐は光に導かれ、ここへやってきたのか?と問う孤門に、 吉良沢は、これ以上憐に近づかないほうがいい、 さもないといずれは君自身が苦しむ事になる、と・・・ 「どういう意味・・・?」と問うた時には、吉良沢は姿を消していた。

憐は瑞王と、いつもパンダショーを行うステージの舞台の上に座って客席を見ていた。 憐は、自分の事をいろいろ瑞王に話そうとするが、瑞王は自分には話さない方がいいと言う。

「いいよ、俺の事誰に話しても。 したら瑞王、ちょくちょく来てくれる訳でしょう? 昔読んだ本の中にね、変な男の話があって、 そいつの夢は大勢の子ども達が遊んでるのを、ただ見守るって事なんだ。 そいで子ども達が崖から落ちそうになったり、危ない目に遭いそうになったら、 さーっと飛んで行って摑まえてあげるわけ。 俺はね、そういうのになろうと思ったわけよ」 「どうして・・・?」 「どうしても」

コマンドルームでは石堀隊員がビーストの分析をやっていた。 「やっぱり・・・・これはグランテラのキモンなんだ・・・」 「何かわかったの?」 「見てください。このビーストは節足形の集合体で、身体にいくつものキモンを持っています。 このビーストが本気になって攻撃すれば、こっちは蜂の巣です」 それでなくともグランテラの攻撃に脅威を感じているというのに、 まだビーストは本気ではないというのだ。

孤門「ビーストは試したんだ・・・新しいウルトラマンの能力を」 和倉隊長「ビーストが試したのではない、試したのは背後でビーストを操っているアンオウンファンドだ・・・次は本当の闘いになる」

瑞王は一人ダムを見つめていた。 ターゲットではあったが、憐の屈託ない笑顔にたまらなく惹かれていた。 そこに現れた松永管理官に、「何も報告する事はありません」 と頭を下げてその場を去ろうとしていた。

その瑞王の背中に向かい「良い友人になれたようですね・・・」松永管理官は言った。 コマンドルームでは吉良沢が作戦の指示を与えていた。 「次にビーストが現れても、攻撃ミッションは行ないません」 しかし攻撃しなければやられるだけだという不安も隊員にはある。

「次は向こうも本気で来る、だからこそです。 次はアンノウンファンドもダークフィールドGを全面に展開してくるでしょう。 ダークフィールドGがチェスターにどんな影響を与えるか、現状では予測不可能です。 この状況でビーストの一斉攻撃に対応出来る確立は極めて低い」 「危険だから出撃はしないと言うんですか?」と孤門はいきり立つ。 憐一人に闘わせる訳にはいかない、そういう思いが強いのだろう。

「確立の問題です。君の生命同様、クロムチェスター機はTLTにとって大切な戦力ですから」 和倉隊長は冷静に質問した。 「戦闘はウルトラマンに任せて、我々は全員ここでじっとしていろと?」 「そうは言ってません。 今後の戦闘のためにも、僕らにはデータが必要です。 δ機のみ、データ収集に出します」 「僕が行きます」「私も出ます」凪副隊長も申し出た。

「このビーストは夜行性です。 副隊長と孤門隊員は日没前にスタンバイしてください」 「イラストレーター・・・ダークフィールドGでこんなビーストと闘うことになればウルトラマンは?」 「孤門隊員、ウルトラマンが現れたという事は、光が新たなデュナミストを訪れ、 その人物が自ら闘う事を選んだという事です。 たとえそれが、どんな戦いになろうとも・・・」

憐は腕につけた測定器で、何かを計っていた。 「マイナス2.02・・・」 傍らのエボルトラスターを見つめていた。 δ機には、孤門隊員と凪副隊長がスタンバイしていた。 「副隊長、ありがとうございます。一緒に出てくれて」 「私はあの青いウルトラマンが、この状況でどう闘うのか、それを見極めたいだけよ」 「・・・・」

ビーストが現れた。 吉良沢も憐も反応している。 δも出撃した。 狙われたのは天体観測に来た集団のようだ。 ビーストにδが攻撃を仕掛ける。 しかしビーストはδに向けて光弾発射の準備をしている。 まさに発射されたその時、光弾を遮るようにウルトラマンが現れた。

そしてアンファンスからジュネッスブルーにチェンジし、メタフィールドを展開した。 しかしすぐその後、アンノウンファンドによって、ダークフィールドGに変えられてしまった。 δは果敢にダークフィールドGに突入して行った。 そこでは既にウルトラマンとビーストが闘っていた。

ビーストのキモンが開き、一斉に攻撃が始まる。 ウルトラマンはシュトロームソードで攻撃を撥ね返すが、その数の多さに避けきれない。 「アビロックミサイル ファイヤー!」凪副隊長がウルトラマンを援護する。 しかしビーストの攻撃に合い、、チェスター機は損傷し、黒鉛をあげていた。 「だから撃つなって言われてたじゃん!」コマンドルームで詩織隊員は心配そうに叫んだ。

落ちずに飛び続けることしか出来ないような状況のδに向かい、ビーストは一斉攻撃をしようと、 腹部のキモンにパワーを集中させている。 ジュネッスブルーはオーバーレイ・シュトロームをビーストに繰り出した。 前向きに倒れるビースト。 しかしアンノウンファンドが現れビーストに降り注ぐと、ビースト振動波の数値が上昇した。

アンノウンファンドの展開するダークフィールドGが、ビーストにパワーを与えているという。 パワー全開になったビーストは再びウルトラマンに向かっていった。 ウルトラマンが太刀打ちできないほどもパワーである。 コアゲージが赤い点滅を示していた。

CIC作戦室では吉良沢が憐との再会を思い出していた。 ジュネッスブルーのデータの解析を見て、憐は言った。 「優なら、いっか・・・俺のデータ、取っても」 この時、吉良沢は、憐が第3のデュナミストだと確信したのだろう。 「憐・・・」 「その代わりさ、いっこも残さず取っといてくれよな、俺の記録」 「それが俺の仕事でもあるんだぜ」 辛い気持ちを隠して、極めてクールに振舞う吉良沢だった。 「すべて覚悟の上か・・・・」

再びダークフィールドGからパワーを受け取ったビーストは、すべてのキモンをウルトラマンに向けて放った。 「逃げろーーー」孤門が叫ぶ。 しかし、なんとウルトラマンはその攻撃に向かって突っ込んで行ったのだ。 ある攻撃は外れ、ある攻撃には吹き飛ばされながら、 空の上炎の中でジュネッスブルーはアローレイ・シュトロームを撃った。 ビーストは爆発を起こし、消滅した。

−−−−僕は憐の捨て身の闘い方に一瞬、不吉な胸騒ぎを覚えた 吉良沢は、憐の覚悟と、それをどうする事もできない事に気づき一人沈んでいた。 凪副隊長はウルトラマンの闘いを見て何を思うのか、夜明けの空を見つめていた。 瑞王はただ、待っているのだろうか・・・

−−−−けれども僕は、このとき既に憐が一人で、 過酷な宿命と向き合っていたなんて思ってもいなかった。 僕は彼の一番大きな秘密を、まだ知らないでいた

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【Episode29 幽声 −コーリング− - SADA07】

夜の山中、キャンプを楽しむ若者達。 「キャンプなんて久しぶりだよね〜。」 すると向こうに見える山から何かの鳴き声が聞こえる。 霧の中に赤く光る4つの目。ビーストだ! さらにけたたましい鳴き声をあげるビースト。若者達はその声に苦しみ、頭を抱えてうずくまる。 「うわぁぁぁぁ!」 ビーストから放たれた光線が一人に巻きつき、それが糸の束のように変化してそのまま引きずり、連れて行ってしまった。

TLT基地内。 和倉隊長「ここ一ヶ月間の間に7件もキャンプ場で失踪事件がおきている。ビーストが絡んだ事件である可能性も考えられているが、事件現場にいた人間達には襲われた記憶が無く、確証がない状況だ。」 平木隊員「でもビースト振動波でわかるんじゃないの?」
吉良沢「事件現場は深い霧に包まれていたそうです。それがビースト振動波を妨害していたのかもしれません。あと、これも確証はないのですが、襲われた人々が記憶をなくす前、誰かが呼ぶような声を聞いたという情報もあります。」
平木隊員「霧の中に隠れているビーストか・・・。」

トンネルの前で地面に耳をつけ、何かをきいている少女。 その少女の兄が後ろから駆けてきた。 「リコ〜!リコ〜! いい加減自分の名前覚えろよ。」 その少女リコと兄のカオル、二人は以前ビーストによって両親を殺された兄妹であった。 (第14話参照)

カオル「またこんな絵描いて。見たことあるもの描けっていわれたんだろ?」
リコ「だって見たんだもん・・・。」
兄の手の中の、リコの描いた絵には、ビーストと戦うネクサスの絵が描かれていた。 兄妹のいとこらしき少女が自転車で走ってきた。
カオル「サトミちゃん。リコが、お父さんお母さんが呼んでるっていうんだ。リコに何度父さんと母さんは事故で死んだって話しても、信じようとしないんだ。」
サトミ「仕方ないわよ・・。記憶喪失なんだから。」

近くの町でメモリーポリスの瑞生は、リコの事を考えていた。孤門の攻撃で、ビーストの巻き添えをくらったリコが入院している病室で、リコの記憶を消したのが瑞生だった。 本来ならビーストに関する記憶だけ消すはずだった・・・・。 しかしリコは、事件の前の記憶を失ってしまった。残っているのはビーストに関する忌まわしい記憶だけ。

リコは自分の部屋で事件の事を思い出していた。 リコ「リコ、あなたはリコよ。」 鏡の中の自分を見つめながら繰り返した。
ふと何かを感じたリコは窓を開けた。山の方から何かの鳴き声がした。
同時刻、溝呂木が、怪我した足を引きずりながら、何かから逃げていた。

TLT基地内で松永管理官と瑞生が話ている。 松永管理官「溝呂木が生きていた!?」
瑞夫「地元警察が職務質問したところ、振り切って逃げたようです。重要なのは、彼が現れたのが、ナイトレイダーのミッションエリアの近くだということです。」
松永管理官「もしかして、山で起こっている事件も彼の仕業・・。」

逃げ続ける溝呂木。山の中の古い社の中に身を隠す。
「俺は・・・なぜ生きている?俺はいったい・・!?」 頭を抱えうずくまる溝呂木。 溝呂木の逃げ込んだ社の中に、リコが入ってきた。 警戒する溝呂木。だが溝呂木に気づいたリコは、ランドセルの中からみかんを取り出し、差し出した。

ナイトレイダーは失踪事件のあった山中を調査していた。 和倉隊長も凪と通信しながら霧の中を進む。 通信機の調子が悪い。この霧のせいかもしれない。 溝呂木とリコも二人で手をつなぎ、山中を歩いていた。
溝呂木「山から呼ぶ声がする。」
リコ「うん。」

孤門隊員も山中で調査を続けていた。霧の中に怪しく光る四つの赤い目・・・ビーストだ!光線が放たれる。それをとっさにかわす孤門。
その衝撃に驚き、リコが山の急斜面に足を踏み外した。溝呂木が間一髪でリコの手をつかみ助けた。

孤門と合流した和倉隊長。
和倉隊長「チェスターに戻ってやつを攻撃するぞ!!」
孤門「はい!」
チェスターに向かおうとする二人は驚いて足を止めた。 目の前にあの溝呂木と、少女リコが立っている・・・なぜ!?
和倉隊長「溝呂木・・!?」
リコに気付く孤門。
孤門「リコちゃん!溝呂木その子を離せ!」
溝呂木「みぞろぎ・・・?」 溝呂木は不思議そうな顔をしている。
和倉隊長「姫矢は?姫矢はあの後どうなった!?」 問いかける和倉隊長。
「ひめや・・・みぞろぎ・・・。一体誰だ?教えてくれ!俺は一体誰なんだ?」
困惑する溝呂木。
和倉隊長「お前・・・まさか記憶が?」
孤門の顔を見て、逃げるリコ。 溝呂木も一緒に逃げる。追いかける孤門。

リコを探して山の中に入っていたカオルとサトミ。
カオル「今リコの声が聞こえなかった?」 先に進む二人の少し後ろに瑞生もいた。 ビーストに向かうチェスター。
瑞生「チェスターの音・・・。ミッションが始まってるんだ。」
西条凪副隊長がビーストにミサイルを打ち込む。 霧を噴出し姿を隠すビースト。
和倉隊長「CIC。山中に溝呂木が現れました。」
その言葉に反応する凪。
凪「溝呂木が?生きていたんですか!?」 CICの吉良沢は答える。
吉良沢「溝呂木に対しては、すでに捕獲部隊が向かっています。」
和倉隊長「捕獲部隊が?溝呂木の事を知っていたのですか?」 本部は知っていて何も言わなかったのか。
「今はビースト殲滅を最優先してもらいます。いいですね?西条副隊長も。」
溝呂木とリコを追う孤門。途中瑞生とカオル、サトミと出会う。 カオルを見てあの時のこと(14話参照)を思い出す孤門。
「君は・・・。」
溝呂木とリコは山の中の小屋に隠れていた。 リコは自分の記憶の事を話したようだ。
溝呂木「唯一残っている記憶が、両親が化け物になった後の事だけか。」
リコ「うん。」
溝呂木「たぶんお父さんとお母さんは、化け物になる前に殺されたんだ。ひどい事をするやつもいるもんだ。」
溝呂木は本当に記憶を失っているようである。
リコ「さっきの人お母さんを撃ったの。」 ビーストに変わった、リコの母親を撃つ孤門の姿を思い出す。
リコ「でも・・・たぶん、助けに来てくれたんだと思う。」
孤門「リコちゃんの記憶が!?」 リコが事件(14話参照)から後の記憶しかないことを聞いて、驚く孤門。
瑞生「リコちゃんの記憶をもう一度消すようなことになったら、次はどうなるか・・・。だから絶対に、彼女にビーストを目撃されたくないの!」
するとサトミがカオルとともに近づいてきた。二人で話をしていたようだ。
サトミ「カオルちゃんも納得してくれました。街へ戻るって。」
孤門「リコちゃんの事は僕に任せて!必ず助けてみせる!」 孤門は言い切った。
カオル「うん。」

翌日、山の方から聞こえる鳴き声で目を覚ましたリコは、一人小屋を出る。その間に捕獲部隊が突撃、溝呂木を捕獲した。
その後、小屋へ戻るリコの姿を見つけた孤門がかけよる。 小屋の中には誰もいなかった。 孤門の顔を見て、後ずさるリコ。
孤門「覚えているんだね、あの時の事を。」 うなずくリコ。
「でも信じて欲しい。僕はあの時、君達を守ろうとしたんだ!」
リコはもう一度深くうなずいた。

本部基地内でコンピューター画面を見つめる、平木隊員と石堀隊員。怪獣の鳴き声を調べているようだ。
石堀隊員「この声を分析したんだが、どうやら、これまで他のビースト達が捕食してきた人間の声らしい。」
平木隊員「人間達の声!?どうやってそんな情報を?」
石堀隊員「ビースト振動波だよ。どうやらビーストは、振動波で戦いの情報を伝え合っている。やつらは確実に進化している。」
その時吉良沢から連絡が入った。
「ビースト振動波確認!!石堀隊員、平木隊員、出動してください!」 ビーストの元にいる和倉隊長と西条凪副隊長。
和倉隊長「こいつ、街に向かう気か!凪、正面から攻撃だ!」
凪副隊長「了解!!」
リコを連れて戻った孤門。
瑞生「リコちゃん大丈夫!?ケガはない?」
孤門「カオル君達は?」
瑞生「サトミちゃんの家でリコちゃんの帰りを待ってる。」 そして孤門の通信機にも連絡が入った。孤門も迎撃に向かう。
ビーストに気付いた憐が走り出し、ネクサスに変身した!

ネクサスとビーストが激しい肉弾戦を繰り広げる。 リコと一緒に街に戻る途中、トンネルの前で、瑞生は戦闘の音を聞いた。
「リコちゃんちょっとここで待ってて。」
戦闘が気になるが、リコにビーストを見せるわけには行かない。 ネクサスとビーストの闘いを見守る瑞生。 しかし後ろからリコが歩いてきていた。
ネクサスは、激しい戦闘の中、ジュネッスブルーに変身した。
「リコちゃん来ちゃだめっ!!」
しかしリコは歩みを止めない。心配した瑞生だったが、間一髪ネクサスがメタフィールドを展開し、姿が見えなくなった。 ほっとする瑞生、しかしリコはじっと何かを見ている。
「まさか・・・見えてるの?」 リコの瞳には全てが映っていた。
孤門「あの子達が住む街を守るため、僕は今できることをするだけだ!!」
孤門に迷いはない。 チェスターの攻撃にひるむビースト。
そしてネクサスの右腕から弓矢状の光線が放たれる。必殺、アローレイシュトロームだ! 光線によりまっぷたつになったビーストは、消滅した。

リコの目にもその様子が映っていた。 そして・・・ビーストが消えた後、リコの目には別のものが映った。それは幻なのか、リコの記憶なのか、笑顔の両親の姿だった。楽しく会話するお父さんとお母さんの姿を、リコは目にやきつけた。

TLT内に拘束された溝呂木。頭を抱えうめいている。
溝呂木「俺は誰なんだ!」
トンネルの前。地面に耳をつけ、何かをきいているリコ。
カオル「リコー!」 兄が走ってくる。
カオル「また聞こえるのか?」
リコ「もう聞こえない。」 その答えに笑顔がはじける兄。
カオル「行こう!リコ!」
リコ「お兄ちゃん。わたしはリコだよね!」
カオル「うん!」
走り出す兄妹。後ろからサトミが自転車で追いかけてきて、兄の帽子をとる。二人の兄妹は無邪気に追いかけた。
リコは普通の女の子に戻ったのだった。

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【Episode 30話・監視者 棺桶のジョー】

ビースト振動波が確認され、暴れ始めた。 ナイトレイダーは緊急発進、そして憐も変身する。ネクサスはジュネッスブルーとなりメタフィールドを展開、光の剣でビーストを倒す。

だが、そのネクサスを探るものがいた…そして、飛び散った破片を、TLTスタッフが回収していた。だが、残された破片があった…

ナイトレイダーでは、石掘隊員が、和倉隊長にウルティメットバニッシャーが使えなくなった件について質していた。石掘隊員は「もしやしてTLTにスパイが…」と言うと、隊長は内密にしろと答える。が、詩織がこれを聞いていた…
そして、松永管理官は東郷幹部に呼び出されていた。だが、何の用件だ?…

そして、憐のいとこ・孤門は憐を訪ねていた。 もう、針巣らにお馴染みになった孤門。憐は、自ら、DNA操作で生まれた子供、親はいない、だから遊園地で親子を見るのが楽しいと語る。
しかし、この言葉の裏に秘めた憐の悲しみを、孤門は見逃さなかった。
そして、吉良沢は、様々な疑問が浮かんでいた。忘却の海、なぜ憐がデュナミストになったのか…様々な謎が、まるで某アニメのように浮かんでは消える。様々なキーワード、何を意味するのだろう?

孤門と憐が帰ってくると、針巣は憐にお客さんという。瑞生である。が、それを見て孤門はビックリ!しかし、憐は瑞生もTLTのメンバーと知っていると聞いて2度ビックリ!
が、二人が瑞生のところに寄ると、「二人なら挟み撃ちにできる、11時の方向にこちらを監視しているものがいる」と瑞生から聞かされ、その監視者を追う。が、相手は巧みに逃げてなかなか捕まらない。

孤門を、列車通過を利用して振り切り、台車を子供の方に流して逃げる。
憐はこどもを助けるため、まかれてしまう。だが、瑞生は監視者を追い詰め、取り押さえた。
だがその顔は何と金属の仮面!格闘の末、逃げられてしまい、瑞生はケガをする。「今度会ったら足腰立たないようにしてやる!」と息巻く憐、が、相手は何かチップを落としていた。

針巣は、お客さんが揃ったからご馳走すると言う。バーベキューを囲み、何事もなかったかのように楽しむ孤門、憐、瑞生ら…そして、鳥の話になる。
「鳥は夜見えなくなるのじゃないの?」、「夜でもよく見えるのもいるよ」と屈託なく喋る憐、その、底抜けの明るさを、孤門が楽しんでいた。が、瑞生は例のチップを渡される。基地に帰り、孤門とともに瑞生はチップを解析する。かなり破損しているが、それは憐のデータが入ったもので、「ラファエルはまだか?」と最後にあった。

倒されたはずのビースト、だが、何と再生しつつあった…
瑞生は憐の家を訪ねる。そして、「ラファエルって知っている?」と瑞生が聞くと、憐の表情が一変、持っていたコップを落としてしまう!一体、何があったのか!


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